ALBUM REVIEW
独断と偏見(ギターミュージックへの偏愛?)のElectricSheepLand基準によって
選ばれたRockなアルバムを勝手にレビューするコーナーです。

VOL.6
YELLOW SUBMARINE SONGTRACK       THE BEATLES

話題のYellow Submarine Songtrack ですが早速 聴いてみました。

特徴は(既に色々なところでレヴューされているように)
・音そのものは非常にクリア。分離も良く、今まで聞こえていなかった音も聞き取れ
  るようになり、 従来のCDからすれば音質など確かに"別次元"。

・ボーカルが中央よりに定位されていて、かつ非常に前に出てきている。その分、各
  インストゥルメント群は印象薄....。

・ステレオ定位により音像そのものの厚みが非常に増したものがある。

てなところでしょうか。
しかし、私個人としては 今回のデジタルリマスタリング・リミックスは悲しいかな 50点
といったところです。

あ、今回の取組みと完成作品を、決して否定しているのではありません。ただ、単純に
「音楽」として完成度が上がっているものが あまり無いな、と思うだけ。
個人的な好みもありますので、一概には言えませんが、やはりボーカルが出過ぎな分
はインストゥルメント群とのバランスにはもう少し配慮が必要だったのではないでしょうか。
ただサウンドトラックでなく、ソングトラックと命名された意図からすれ  ば、やはりこれ
で良いのかもしれません。

また、あのサイケデリックな「もわもわっ」とした音像が 妙にクリアになってしまったこと
で中期独特の雰囲気が薄らいでしまったのは、当然とはいえ 悲しいです。
ビートルズの演奏技量が 今まで以上に如実に出てしまっている部分もあり、この辺は
どうにかならんもんでしょうか。
音像そのものは確かに「張り」があるのですが、ギターの音など「キツイ」とも言えます。
(立ち上がりの良さは確かに特筆すべき)
再生環境に影響にされるのでこれも一概には言えないのですが。

私としては、現代的な張りのある音で楽しみたい時や、バンドマンがコピーする為に、
音を拾うのには最適!と思います。 実際 ジョージは存在感アップしてます!
要は 従来音源との使い分けによってこそ 価値が高まるものであり、従来のアナログ版や、
CDを聴き込んでないと嬉しさ半減以下でしょう。これはアンソロジープロジェクトと同じですね。
よって初心者にはお勧めできません。

日本語オビに「中期のベスト・アルバム」なるコピーがありますが、選曲についてはサン
トラ盤である事を考えれば、まあ納得がいきます。
いやむしろ珠玉の名曲「Strawberry Fields Forever」と「Penny Lane」が収録されな
かったのは 個人的には幸いしたと思っているのですが(笑)。

今後続々とリリースされるというこのシリーズ。不安です。
 

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