◆◇六つの紋章をめぐる物語◇◆

創世記

7.光と闇の章 アズヴァーンと六つの紋章の顛末


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アズヴァーンはこの世界に生まれた最初の人間だった。
彼は六体の紋章の怪物たちの召使いとして働き、世界の中心に園を作っていた。
様々な木や花を植えてそこで動物を飼ったり、川や池を作ってそこで魚を飼ったり。

紋章の怪物たちは世界の中心から離れて世界を自由に歩き回ることができなかった。
光の子らの定めにより、この世が終わるまで世界の中心で六種の精気エレメントを創り続けることになっていたからだ。
そのため、自分たちが創ったこの世界の景色や生き物をあまりよく知らなかった。
そして、自分たちの役目に飽き飽きしていた。

アズヴァーンはそんな紋章の怪物たちを慰めるのは自分に与えられた大事な役目だと思っていた。
紋章の怪物たちがいなければ、自分は生まれてこなかったのだから。