20060429 |
折れさせて残ったわずかな空白を埋める言葉が見つからなくて |
20060427 |
心まで記号になる日待ち望み君は小さな鞄で出てゆく |
20060422 |
眠れない夜には踵はひびわれる修復できぬ足跡がある |
20060419 |
左手で君の名を書く誠実な朝の始まり確かめるよに |
20060417 |
スカートのプリーツ気になる春の朝しあわせの顔してみせていた |
20060416 |
どこからも答えの出ない曲がり角まるい目をした猫がやさしい |
20060326 |
行きかけてまた立ち止まる未来へは風船なんかで飛んで行けない |
20060325 |
消せないでいるたぶん最後の記憶ただしいリズムふむ君がいた |
20060324 |
今日を終えさまざまな朝よみがえる靴下の白ピンクのかばん |
20060318 |
雨音を不規則に聴くふぞろいな傘開くまで抱きしめていて |
20060316 |
突き抜ける叫びを聞いた一瞬が君を隔てた永遠となる |
20060313 |
つながっている時間がほしいだけのワイングラスに注がれる闇 |
20060312 |
マニキュアの色を変えたのおとなびた少女の胸のふくらみに春 |
20060311 |
独りごとひらひら舞って着信を削除していく指先に春 |
20060226 |
きらきらと光る未来がほしいだけラメのマニキュア3度目を塗る |
20060225 |
愛されてなどなかったの「高島屋の前で6時ね」と恋人ごっこ |
20060219 |
ゼロという店に残した君からの最後の言葉抱きしめている |
20060218 |
愛などを口にするからひときれの林檎にさえも嘘をつかせる |
20060217 |
点滅の信号見あげ降る雪のとけゆく先を思うふたりで |
20060201 |
現実を背中で拒む少女らとつながってゆく明日を語れず |